DTM/DAW レコーディング機材

PreSonus AudioBox iTwoを購入しました

投稿日:2015年10月1日 更新日:

DAWで必須のオーディオインターフェースはこれまでM-AUDIOのFireWire Soloという機種を使ってきました。2入力2出力のシンプルなものですが、自分の使い方ではこれでも十分で特に不満もなく使えていました。実はこれを買ったのが2005年のこと、いつの間にか10年も経っていたのですね。ところがWindows10にアップデートしたところ、音が出ないという致命的な問題が発覚してしまったのです。正確に言うとまったく出ないのではなくて、コントロールパネルからOUT1/2を手動でON/OFFしてやればちゃんと音は出るんですが、いずれにせよドライバが古くてWindows7までしか対応していませんので、このままWindows10にアップデートするわけにもいきません。さすがに10年前の製品だとドライバのアップデートはもう望めませんからね。

もう一つの問題として、FireWire(いわゆるIEEE1394)という規格がすでにレガシーデバイスになりつつあるということです。10年前は転送速度の問題からUSBでは限界があり、FireWireがもてはやされていたのですが、USB2.0が登場してからはオーディオインターフェースもUSBが主流になり、FireWireは影が薄くなってしまいました。現在この機器のためだけにIEEE1394拡張ボードを実装しているのですが、もはや無用の長物になりつつあるのでいい加減に撤廃したいと思っていました。

それとFireWire SoloにはMIDI入出力が付いていないので、MIDIは専用のインターフェースを使っていました。当時はハードのシンセサイザーや音源モジュールを使っていたので複数のMIDIポートが必要でしたが、今やソフトシンセで十分になりMIDI機器は入力用のキーボードだけになってしまいました。するとMIDI入出力は1系統あれば十分なわけで、できればこれも撤廃したいと思っていました。

そこで10年ぶりにオーディオインターフェースの買い換えを検討し始めたところ、最近の製品はMIDI入出力も内蔵していることがわかり、これならMIDIインターフェースも撤廃できて一石二鳥だと考えたわけです。3機種ほど比較検討しましたが、最終的に購入したのはPreSonus(プリソーナス)のAudioBox iTwoという機種になりました。以下、この機種を選んだ理由と実際の使用感についてレビューしてみたいと思います。

audiobox_itwo_real
現在保有している機器です。上からM-AUDIO MIDISPORT 2x4、M-AUDIO FireWire Solo、PreSonus AudioBox iTwoになります。

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必要とする機能

1. アナログ入力2系統/アナログ出力2系統
2. マイク/ライン/ギター入力に対応していること
3. MIDI入出力1系統
4. iPad対応
5. ヘッドフォンの独立レベル調整が可能なこと
6. スペックは24bit/96kHz以上

比較検討した機種

Steinberg UR22 mkII
TASCAM US-2x2
PreSonus AudioBox iTwo

いずれもAmazon価格は15,000円前後で、10年前のFireWire Soloが25,000円くらいしたことを思うとずいぶん安くなったものです。

(2016/3/25追記)
UR22は後継のUR22 mkIIが発売され、USBクラスコンプライアント対応でiPadにも接続できるようになりました。

まず、これらの3機種は1~3の条件をすべて満たしています。スペックだけを見るとUR22の24bit/192kHzというのが突出しており、実際一番売れているオーディオインターフェースらしいです。またヘッドフォンの独立レベル調整も3機種とも備えていますから問題ありません。

iPad対応が選択のポイント

この中でポイントとなったのは4.のiPad対応です。僕も普段はPCで作業していますが、一応iPadも持っていて音楽アプリもいくつか購入していますので、できればiPadでも使えるものが欲しいと考えていました。そうするとまずUR22はiPadに非対応ということで落ちます。スペック的には見栄えがするので残念ですが、涙を呑んで不採用としました。次にUS-2x2は音質面でも定評があり、iPad対応を謳っているので良さそうですが、実は一つ落とし穴があります。USBバスパワー駆動の場合、iPadでは供給できる電力が少ないため単体では動作させることができず、外部AC電源を必要とします。US-2x2では専用のACアダプターを接続することにより初めてiPadで使用可能となります。しかもACアダプターは別売となっています。

そこで目を付けたのがAudioBox iTwoなのです。普通、iPadでこのようなデバイスを利用するにはカメラアダプタを経由してUSBに変換してやる必要がありますが、AudioBox iTwoではその必要さえなく、iPadの30pinドックコネクタやLightningコネクタから充電用のUSBケーブルで直接接続できてしまうのです。これは画期的ですね。ただし、それだけでは電流容量が足りないので外部電源が必要なのは同じです。しかしここがよく考えられていて、PC接続用のUSB端子から電源を供給できるようになっているのです。すなわち普通のUSBケーブルで給電できるわけですから、iPadに付属の充電器や、屋外で電源が取れない場合でもモバイルバッテリーを利用することができるんです。USBなら汎用性がありますから、これは非常に合理的な方法ですね。僕はこの点が大いに気に入りました。

というわけで消去法でAudioBox iTwoに決まったわけですが、他の機能はどれも似たようなものなのでiPad対応にこだわらなければ別にどれを買っても後悔はないと思います。あとはバンドルされるDAWの違いでしょうかね? まあ付属のDAWなんてどうせ機能限定版でオマケみたいなものですから別に気にしてなかったですけど、初めてDAWに触れる人には少々気になるかもしれませんね。AudioBox iTwoには同じPreSonusのStudio One Artistが付属してきます(ソフトはサイトからダウンロードする必要があります)。これは単体発売されているものと同じで、ソフト音源やエフェクトもかなり充実していますから、DAWがまったく初めての人にはとりあえずこれだけで音楽制作を始めることも可能でしょう。追加投資不要でそれなりに使えるDAWが手に入るというのはお買い得かもしれません。まあ僕はすでにStudio One 3 Professionalを持っているのでまったく意味はないですけどね。(笑)

使用感など

では使用感について見ていきましょう。まずドライバのインストールですが、最新のアップデータはWindows10にも対応していますので、インターネットからダウンロードしてすんなりインストールできました。もちろんWindows10でも問題なく動作しましたよ。

audiobox_itwo_front
これがフロントパネルです(写真はPreSonusサイトから拝借しました)。左に2系統の入力コンボジャックがあって、マイク用のXLSプラグ(いわゆるキャノンプラグ)と標準フォンプラグをどちらでも挿せるようになっています。個人的には独立したライン入力がリアパネルにある方がスッキリして好きですが、今はそういうモデルはないようですね。僕は普段この入力にシンセサイザー(KORG microARRANGER)のライン出力を接続していますが、ステレオだと左右別々に接続する必要があるわけで、それだけで2つとも塞がってしまいます。

中央下部には入力1と入力2に独立したゲインコントロールとHi-Z切り替えスイッチが付いています。またノブの右側にはLEDインジケーターがあって、適正な入力がある場合には緑色に点灯し、入力が過大な場合には赤色に点灯して警告します。ゲインコントロールが独立しているのはマイクを2本接続するような場合には便利だと思いますが、シンセサイザーをステレオで接続している場合にはかえってめんどくさいように思います。左右同時に回さなければなりませんし、少しでもずれていると左右のバランスが崩れてしまいます。

マイクはダイナミックマイクしか持ってないのですが、接続してみると結構大きな音で録れました。以前使っていたFireWire Soloではゲインを最大にしても小さな音でしか録れなかったのですが、AudioBox iTwoのマイクプリアンプはゲインがかなり大きいようで、ハウリングが起きるくらいまでゲインを上げることができました。カタログによるとクラスAのプリアンプを採用しているらしいですから音質にも配慮されているようです。僕は持っていませんが、コンデンサーマイクを接続するための48Vファンタム電源も内蔵されています。

ギターなどハイインピーダンス仕様の楽器を接続するには、エレキギターのアイコンのあるスイッチを押すとブルーのランプが点灯します。入力1と入力2のどちらでも使えます。手元にあるエレガットギターを接続してみましたが、きれいな音で録れました。アコギの場合、ピックアップ自体にプリアンプが内蔵されているためハイインピーダンスで良いのか悩みましたが、結果的にはエレキギターと同じくハイインピーダンスで良いようです。ギターアンプは共通ですから、当然そうですよね・・

中央上部にはMIXノブがあって、PCからの出力と入力からのダイレクト音を任意の割合でミックスすることができます。普通、PCのDAWでは必ずレイテンシーがありますので微妙な遅れが生じますが、ダイレクトモニタリングを使えばPCを経由することなく入力に接続した楽器の音を遅延なしでモニターすることが可能です。

右手にある大きなノブはメインボリュームで、一番よく使うノブが大きいのはいいですね。PCのコントロールパネルを開いてボリュームをいじるより、直接このボリュームを操作した方が早いですからね。そして右端にはヘッドフォンジャックとヘッドフォン専用のボリュームがあります。検討した3機種とも同じですが、これはFireWire Soloで唯一不満だった点なのでうれしい進化です。なぜこれが良いかといいますと、この手のオーディオインターフェースはヘッドフォンを挿してもスピーカーからの音が消えないからなんですね。夜中に近所迷惑になるからヘッドフォンを使っているのに、メイン出力とヘッドフォンが連動していると困っちゃうわけです。スピーカーからの音を消すにはスピーカーの電源を切るしかありません。でも独立したボリュームがあれば、メイン出力を絞ってヘッドフォンのボリュームを上げればいいわけですから、余計な手間が省けます。

audiobox_itwo_rear
リアパネル左側にはMIDI入出力がそれぞれ1系統あります。今は入力用キーボードとシンセを1台しか使っていないので、これだけあれば十分です。オーディオインターフェースとMIDIインターフェースを一体化できたことは大きいと思います。

中央にあるUSB2.0と書かれたコネクタには普通のUSBケーブルでPCに接続します。またiPadを使う場合には、ここからUSB充電器やモバイルバッテリーに接続して電源を供給することができるようになっています。

そして注目すべきポイントがその隣のDEVICEと書かれたコネクタです。見ての通り、普通のUSBメスコネクタですが、ここにiPad付属のUSBケーブルを直接接続することができます。カメラアダプタ不要で直接iPadを接続できる機種はこれしか存在しません。

実際にiPad(第3世代の古いやつですが)を接続し、試しにモバイルバッテリーで運用してみましたが、ちゃんと動作しましたよ。さすがですね。ACアダプタを必要とする機種は屋外では使えませんが、これなら電源のない屋外でも使用可能です。音楽アプリはGarageBand、KORG Gadget、KORG iM1、Notion、Propellerhead Thor、Capture Duoなど一通り試してみましたが、全部問題なく動きましたよ。iPadはドライバの必要もなく、接続するだけですぐ使えてしまうところは凄いですね。オーディオだけでなくもちろんMIDIも使用可能で、手持ちの電子ピアノを接続してiM1を演奏してみました。まったくと言っていいほど遅延も感じられず、M1の音が蘇ったのは感動しましたね。このAudioBox iTwoがあればiPadは完全な音源モジュールとして動作します!

肝心の音質についてですが、僕には何とも判断しがたいですね。前使っていたFireWire Soloと比べて悪くなったとは感じませんし、特別良くなったようにも思いません。こういうのはちゃんとした再生装置がないと意味のないことですし、そもそも44.1kHzのソースしかなければどれを使っても同じような気がします。

というわけで10年ぶりにオーディオインターフェースを買い換えたよという報告でしたが、正直デジカメなどの機器と違って10年経ってもあまり変わってないなぁという印象です(笑)。まあWindows10に対応したドライバがないとどうしようもないので、いずれ買い換えることは必至だったんですけどね。自分にとってはIEEE1394とMIDIインターフェースを撤廃できたことが大きかったと思います。

これからレコーディングを始めようと思っている人には、オーディオインターフェースは何を買っていいのか大いに悩むところだと思いますが、ぶっちゃけ今出ている製品ならどれも似たり寄ったりなので、別にどれを買っても大差はないと思います(笑)。ただiPadに完全対応した機種というのは少ないので、もしiPadでの利用も考えているのであればAudioBox iTwoはイチオシであるとおすすめしておきます。

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