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Notion 5とPrintMusic 2014を比較する(1)

投稿日:2015年10月14日 更新日:

PreSonusから今年の2月、新たに登場したNotion5を購入して半年になります。どちらも楽譜作成ソフトということでは同じですが、以前から使っているPrintMusicと比べて機能や使い勝手の違いについてレビューしてみたいと思います。

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価格

まず一番気になる価格ですが、いずれも国内ではMI7が取り扱っており、ダウンロード版の場合、次のようになっています。

【Notion 5】16,500円
【PrintMusic 2014】13,800円

価格的にはそれほど違わないので、初めての方はどちらにするか悩むことでしょう。PrintMusicの方は楽譜作成ソフトの業界標準になっているFinaleの下位グレードという位置づけで、本来なら6万円以上もするソフトが買いやすい価格になっています。その代わり機能的には制限があり、一番大きな違いは作成可能な五線の数が最大24段までとなります。また編集機能などもいくつか削られているものがあります。しかし24段あればフルオーケストラでもよほど大編成でない限りは大丈夫ですので、一般的な用途であれば安価なPrintMusicで十分だと思います。

一方Notionの方はフルセット版でこの価格ですから、楽譜作成ソフトとしては破格の安さといえるでしょう。PrintMusicにあるようなパート数の制限は一切ありません。もちろんPCのハード性能による限界はありますから無限というわけにはいきませんが、大編成のオーケストラでも余裕で対応できる実力を持っています。

フルセットのFinaleは6万円以上もしますから、どうしても大編成のオーケストラや高度な記譜法に対応する必要がある方にとってはNotionの価格は非常に魅力的なものになるはずです。一方、せいぜい数パートくらいの譜面しか必要ないという方にとっては、別にどちらを選んでも大差はないと思います。あとは使い勝手の違いだけですね。

内蔵音源

両者の一番大きな違いは音源にあるといえるかもしれません。同じ楽譜作成ソフトでありながら、音源の違いによって両者はかなり性格の異なるものになっています。

Notionの最大の売りは、ロンドン交響楽団によるレコーディングをはじめとする高品位なサンプリング音源が8GB以上も初めから付いているということです。またStudioOneと同等の高品位なエフェクターも標準装備されています。NotionはPreSonusのサイトからデモ版をダウンロードできますので、一度デモ曲を再生して実際の音を聴いてみるのが一番だと思います。本物のオーケストラと聞き間違えるようなリアルな音質に驚くでしょう。それだけで欲しくなってしまうに違いありません。また演奏再現性に重点が置かれていますので、楽譜上に配置した強弱記号やアーティキュレーションを忠実に反映して再生されます。ピチカートやグリッサンドなど、楽器ごとに異なる奏法についてもちゃんと再現されるのが凄いです。さらにはNTempoという機能によって、リアルタイムで楽譜を再生しながらテンポを手動で記録する機能まで備えており、非常に起伏に富んだ音楽を容易に再現できるようになっています。まさにオーケストラを再現してみたいと考えている方には最適なソフトだと思います。

一方PrintMusicの方はSmartMusicというソフトシンセを内蔵しており、GM相当の音色を再生することができます。ただこのシンセは音質に配慮したものではないので、あくまでも確認用程度のものです。エフェクトもリバーブなどごく簡単なものしか搭載されていません。音質はWindowsに標準で付いてくるソフトシンセよりは多少マシかな?という程度です。強弱記号やアーティキュレーションもある程度は再現されますが、Notionほど完璧なものではありません。

以上まとめると、Notionは大容量のサンプリング音源を搭載してリアルな演奏の再現性を追求したもので、どちらかといえばこれ一つで楽曲まで完成させるというDAW的な性格を持っています。一方PrintMusicは再生はあくまでも確認用と割り切り、楽譜作成の方に重点を置いたソフトであるといえます。

入力方法

両者とも選択できる入力方法はほぼ同じです。

【Notion 5】
マウス入力、MIDIキーボードによるステップ入力、バーチャル鍵盤やフレットボードによるステップ入力、リアルタイム入力

【PrintMusic 2014】
マウス入力、MIDIキーボードによるステップ入力、PCキーボードによるステップ入力、リアルタイム入力、スキャナによる楽譜自動認識

譜面に音符を置いていくマウス入力についてはどちらも似たようなものですから、慣れれば同じように使えると思います。上級者が最もよく使うであろうMIDIキーボードによるステップ入力については両者でかなり違いがありますが、これについては後で詳しく述べます。

Notionではフレットボードによるステップ入力が可能ですので、ギタリストにはありがたい機能だと思います。一方PrintMusicはスキャナを使った楽譜の自動認識が可能なのですが、当然完璧というわけではなく、どうしても誤認識がありますので、あまり期待はしない方がいいと思います。

出力機能

【Notion 5】
印刷、オーディオファイル(WAVのみ)、スタンダードMIDIファイル、MusicXMLファイル、StudioOneへのプロジェクト直接出力

【PrintMusic 2014】
印刷、PDFファイル、JPEGファイル、オーディオファイル(WAV/MP3)、スタンダードMIDIファイル、MusicXMLファイル

一番肝心な楽譜の出力については、PrintMusicは印刷以外にPDFやJPEGに出力できるのに対し、Notionは印刷しかできないのが物足りないところです。まあNotionでも仮想プリンタを通して印刷機能でPDFや画像ファイルにも出力できるので実質的には問題ないのですが、最近はWebで配布することも多いので、そのくらいは標準で搭載してほしかったところです。

NotionではStudioOneへの直接出力ができるところが大きな特徴となっています。同じPreSonus製品ですから連携して使用できることをアピールしているわけですが、僕のように両方を使っている人にとっては有用でしょうね。Notionでとりあえず入力した後、StudioOneに移ってボーカルや生楽器とのミックス、強力なエフェクトを使って最後の仕上げをすることができます。

どちらもMusicXMLの入力/出力には対応しているのですが、Notionが出力するMusicXMLはバージョンが古いためか、他のソフトで読み込むとタイや連桁が欠落したり、ソフトによってはまったく読めないといった不具合が起きています。アップデートでも改善されていないので、直接メーカーに改善要求するしかなさそうです。一方PrintMusicの方はもともとMusicXMLの規格を策定した会社でもありますから互換性が高く、そういった不具合はまったくありません。MusicXMLで他のソフトとやりとりを考えている人は、Notionは避けた方が良いでしょう。

以上、基本的な機能について比較してみましたが、選択のポイントは最終的な作品の完成度を重視するか、単に楽譜作成ソフトとしてのみ使うかによるでしょうね。楽譜さえ作れればよいという人にとっては、一応業界標準のPrintMusicの方が変なクセがない分、無難だと思います。一方、DAWまで買う余裕がないという人にとっては、最終的な作品づくりまで完結できるNotionも一考の余地ありだと思います。

次回は入力方法、特にMIDIキーボードを使ったステップ入力について比較してみたいと思います。

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