ボーカルキャンセラー2の使い方

CDからWAVファイルを取り出す

本アプリケーションはWindows標準のWAVファイルにのみ対応しています。カラオケ作成を始める前に、まずCDなどからWAVファイルを取り出す必要があります。

CDからWAVファイルを取り出すにはリッピングソフトというものがありますが、最も手軽にできる方法としては、Windows標準のメディアプレイヤーを利用します。MediaPlayer 10以降のバージョンではCDからの取り込みに対応していますので、まだアップグレードしていない方は最新版にアップデートして下さい。以下、MediaPlayer 12の画面で説明します。

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メディアプレイヤーを起動してCDを挿入すると、「取り込みの設定」メニューが現れます。ここで「形式→WAV(無損失)」の順に選択します。この設定は一度行うと、次からは必要ありません。

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次に取り込みたい曲にチェックマークを付けてから「CDの取り込み」ボタンをクリックすると取り込みが始まります。

取り込まれたWAVファイルは「ライブラリ→ミュージック→マイ ミュージック」の下にフォルダが作成されて保存されていますので、エクスプローラなどで探して下さい。これで準備は完了です。

なおネット配信でダウンロードしたMP3やAACなどのファイルは、ファイルコンバータを利用してWAVファイルに変換して下さい。フリーのソフトがたくさん出回っています。本アプリケーションはライセンスの関係上、今後もMP3に対応する予定はありません。

ボーカルキャンセラー2をダウンロード

ボーカルキャンセラー2の各操作部分について詳細に説明します。

vocalcanceler2_screenshot

[ソースファイル]パネル

本アプリケーションで処理可能なファイルは拡張子が”.wav”のWAV形式のみです。8/16/24bitの各ビット幅と任意のサンプリングレートに対応しています。ソースは必ずステレオである必要があります。モノラルの音源は処理できません。

Ver.1.40より、複数ファイルのバッチ処理が可能になりました。ただし、無料版では3ファイルまでの制限があります。ファイルはいくつでも登録することができますが、実際に処理されるのは最初の3ファイルのみとなります。

ファイルリスト

処理の対象となるWAVファイルをファイルリストに登録します。エクスプローラなどからファイルをウィンドウ内にドラッグ&ドロップすることによっていくつでも追加することができます。

ファイルリスト上の一行をクリックすると選択された状態になります。ファイルリストへの操作は選択して反転されたものが対象となります。

登録したファイルの左端にはチェックボックスが付いています。ここにチェックを入れたファイルだけがバッチ処理の対象となります。デフォルトではすべてチェックされた状態になっています。ファイルリストの下にあるチェックボックスをクリックすることにより、すべてのファイルをまとめてチェック、あるいはチェックを外すことができます。

同じファイルを複数登録することもできます。キーチェンジは1行ごとに個別に設定できますので、たとえば同じ曲でキーの異なるバリエーションを自動的に作成することができます。

[ファイルを追加]ボタン

クリックすると「ファイルを開く」ダイアログが開き、ファイル名を選択します。複数ファイルを選択することも可能です。OKボタンをクリックすると選択したファイルがリストに追加されます。

[リストから削除]ボタン

選択されたファイルをリストから削除します。

[クリア]ボタン

リストに登録されているファイルをすべて削除します。

[詳細設定]パネル

ボーカルカットの処理を行う際のパラメータを調整します。通常はデフォルトのままでほぼうまく行きますが、音源によってはボーカルが消えにくいこともあります。その場合は結果を確認しながら試行錯誤でパラメータを調整してみて下さい。なお処理の実行中にパラメータを操作しても反映されません。

振幅許容度

左右チャンネルでスペクトル比較を行う際、振幅ずれの許容度を設定します。単位はdB(デシベル)です。右へ行くほど許容度が大きくなるのでボーカルを消す効果は強くなります。

位相許容度

左右チャンネルでスペクトル比較を行う際、位相ずれの許容度を設定します。単位は°(度)です。右へ行くほど許容度が大きくなるのでボーカルを消す効果は強くなります。

いずれのパラメータも右へ行くほどボーカルを消す効果は強くなりますが、背景の音まで一緒に消えたり、音質が劣化します。むやみに効果を強めるのではなく、できる限り左寄りでボーカルが消えるポイントを探すのが高音質に仕上げるコツです。また2つのパラメータはそれぞれ相乗的に作用します。片方を右へ、もう片方を左へ動かせば効果はほぼ一定になります。2つを同じ方向へ動かすよりは、逆の方向へ動かした方がより良い結果が得られます。

音源によっては効果を最強にしてもボーカルが残ってしまう場合があります。その場合はボーカルが中央に定位していないなどの問題が考えられますので、残念ながら原理的に取り除くことは不可能です。

なおボーカル抽出の場合は、ボーカル除去とは逆にスライダーを左へ動かすほどボーカルだけを残す効果が強くなります。これは「許容度を超えた成分を消す」という動作になるためです。両方とも左いっぱいまで寄せるとかなりこもった音質になってしまいますので、少し右寄りに動かしてやるとボーカルだけをきれいに取り出せます。これもボーカル除去と同じく、音源によっては背景の音まで一緒に拾ってしまう場合がありますが、それを防ぐことは原理上できません。

フレームサイズ

FFTを実行する際のサンプル数を指定します。本アプリケーションではソースファイルからここで指定されたサンプル数ずつ読み込んでFFTを行い、ボーカルカット処理を行っています。フレームサイズを大きくするほど周波数分解能は向上しますが、時間分解能は低下します。またフレームサイズが小さすぎると処理精度が不足してノイズが発生しやすくなります。一般的にはテンポの速い曲では小さめに、ゆったりした曲では大きめに設定するのが効果的です。プツプツというノイズが気になるときは最大に設定してみて下さい。

帯域制限する

このオプションをチェックするとボーカルが含まれる周波数帯域に限定してボーカルカット処理を行います。チェックを外すと、以下の[下限周波数][上限周波数]の設定は無視され、全周波数帯域に対してボーカルカット処理を行います。

帯域制限はボーカルカットの処理を行う周波数をボーカルの帯域に制限することにより、ボーカル以外の背景音が一緒に消えてしまうのを防ぐ効果があります。特に中央に位置するバスドラムやベースの音を残すのに有効です。

ノーマライズする

このオプションをチェックすると、歪まない範囲で音量を最大まで引き上げて出力します。1ステップ増えますので処理時間がかかります。少しでも処理を速くしたいときや、音量を変更したくないときはチェックを外して下さい。

初期値に戻す

振幅許容度、位相許容度、下限周波数、上限周波数をデフォルトの値に戻します。

下限周波数

ここで設定する周波数以上に対してのみボーカルカット処理を行います。これより低い周波数はそのまま通過させます。ボーカル抽出モードではこれより低い周波数帯域をカットします。男性ボーカルの場合は150Hz程度、女性ボーカルの場合は200~250Hz程度が適当です。

上限周波数

ここで設定する周波数以下に対してのみボーカルカット処理を行います。これより高い周波数はそのまま通過させます。ボーカル抽出モードではこれより高い周波数帯域をカットします。音声には倍音成分が含まれていますので、声質によって倍音がどこまで広がっているかは異なります。特にサ行の音は高次の倍音まで含んでいます。通常は10000Hz程度で十分ですが、ボーカルに伴うガサガサという音が気になる場合は少し高めに設定してみて下さい。

[処理モード]パネル

[ボーカル除去]を選択するとボーカルを除去(低減)し、[ボーカル抽出]を選択するとボーカルを抽出(強調)します。

[帯域除去]を選択すると、下限周波数と上限周波数で設定された帯域を完全に除去します(バンドリジェクトフィルタ)。[帯域抽出]を選択すると、下限周波数と上限周波数で設定された帯域のみ通過させ、それ以外の帯域を完全に除去します(バンドパスフィルタ)。

[キーチェンジのみ]を選択すると、ボーカルカット処理をバイパスしてキーチェンジのみ行います。

[キーチェンジ]パネル

テンポを変えずに曲のキーを半音単位で上げ下げします。±7半音の範囲で指定でき、スライダーを右に動かすとキーを上げ、左に動かすとキーを下げます。0を指定するとキーチェンジ処理を行いません。

バッチ処理では、ファイルリストの1行ごとに個別にキーチェンジを設定することができます。ファイルリストでファイルを選択してからキーチェンジスライダーを動かすことにより、キーチェンジの値が変化します。従来バージョンとの互換性を保つため、ファイルが1個だけの場合に限り、選択しなくてもキーチェンジが反映される仕様になっています。

キーチェンジ処理は原理上、必ず音質が劣化します。特に大きく変化させると音質が大幅に劣化しますので、なるべく±4の範囲内でお使い下さい。

[ファイル出力]パネル

Ver.1.40より、処理されたファイルは出力フォルダへ一括して保存する仕様に変更されました。ファイル名はソースファイル名を元にして自動的に付けられます。

【ファイル命名規則】
処理モードに応じて、元のファイル名の末尾に下記の文字列が追加されます。

ボーカル除去→_removed
ボーカル抽出→_extracted
帯域除去→_BRF
帯域抽出→_BPF
キーチェンジのみ→_transposed

またキーチェンジを0以外に設定した場合は、さらに末尾に下記の文字列が追加されます。

キーを上げる(#)→_s + 1~7
キーを下げる(♭)→_f + 1~7

[処理開始]ボタン

クリックすると出力先フォルダの選択ダイアログが開きます。ここでファイルを出力したいフォルダを選択して下さい。新しいフォルダを作成することもできます。フォルダを選択してからOKボタンをクリックすると、処理を開始します。マシンパワーにもよりますが、5分程度の曲で30秒ほどかかります。キーチェンジ処理を追加するとさらに時間がかかります。出力されるファイルは16ビット・ステレオ固定となります。サンプリングレートはソースファイルに依存します。

無料版では曲の長さが4分を超えた場合、途中で処理が打ち切られます。

[中止]ボタン

処理中にクリックすると処理を中断します。ファイルは途中まで作成されていますので、パラメータを変更しながら確認したい場合に便利です。なおキーチェンジ処理中に中止すると出力ファイルは空になります。

[試聴]ボタン

ファイルリストで選択されたソースファイルを現在の設定にしたがってボーカル除去(抽出)処理を行い、結果を30秒間試聴できます。曲の頭はイントロがあるため、曲の中間部分を切り出します。試聴ファイルの作成処理が終わると自動的にメディアプレイヤーが起動して再生されます。パラメータを変更しながら試行錯誤したいときに便利です。

試聴結果はボーカル除去(抽出)のみで、キーチェンジは反映されません。処理モードが「キーチェンジのみ」のときにクリックしても無視されます。

ソースファイルが何も選択されていないときは、ファイルリストの先頭にあるファイルが試聴対象になります。

無料版では試聴回数は5回までに制限されています。ソフトを再起動すると試聴回数はリセットされます。

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