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Faith Naked Venus FKVのレビュー

投稿日:2018年2月12日 更新日:

Faithというメーカーのエレアコを買いました。ご存知ない方も多いかもしれませんが、Faith(フェイス)というのはイギリスのギター職人Patrick James Eggle氏が2002年に立ち上げた新興ブランドで、イギリスのオスウェストリーに本社があり、インドネシアの工場で生産しています。

どうも日本ではほとんど知名度がないようですが、世界的には人気があり、YouTubeで検索すると結構たくさん出てきます。ギターに詳しい人でもあまり見たことがないのかもしれませんが、たまたま近くの楽器店に置いていたため存在を知っていたのです。現物を見てなかなか良いギターだなと思ってました。

ホームページを見てわかるように、Faithには驚くほど多くのラインナップが揃えられています。ラインナップは非常に体系的にできていて、シェイプ×シリーズという形になっています。

シェイプというのはボディーサイズや形状のことで、ジャンボタイプからトラベルサイズまで幅広く揃えられています。シェイプの名前にはすべて惑星の名前が付けられています。

またシリーズはボディーの材質や仕上げによって多くのバリエーションがあります。ですからシェイプとシリーズの組み合わせによって非常に多くのバリエーションが生まれ、それぞれに略号が付けられています。

今回買ったのはシェイプが「金星」を意味するVenusで、シリーズがNakedというタイプです。略号はFKVになります。Venusに属するのはいわゆるオーディトリアムタイプであり、比較的小振りで弾きやすいことで人気があります。またNakedシリーズはその名の示す通り、余計な装飾を取り去って塗装を限りなく薄くすることにより、木材本来が持つ振動特性を最大限に生かすというコンセプトで作られたものです。そのため通常のギターにはあるバインディングが省かれ、サテン塗装が基本になっています。

さて、このNaked Venus FKVの特徴をひと言でいいますと、オール単板ギターだということです。低価格帯のギターだとオール合板かトップだけ単板というものが多いのですが、これはトップがスプルース単板、サイド・バックもすべてマホガニー単板で作られています。単板は合板に比べて楽器としての鳴りが良いと言われています。通常、オール単板モデルは高級ギターに限られ、最低でも8万円くらいはするのですが、このモデルは税込6万5千円程度で入手することができ、コストパフォーマンスが非常に高いことが特徴です。そのためFaithの中でも最も売れ筋のモデルになっています。

ただ国内でFaithを扱っている楽器店は限られるため、店頭で現物を見るのは難しいと思います。やはりAmazonなどの通販を利用するのが便利です。楽器店で買うよりも若干安く、Amazon直販だとかなり安い価格で買えることもあります。もちろん通販ならではのリスクもあるのですが、僕も安かったのでAmazonで買いました(笑)。

しかしFaithに関する情報が非常に少なく、検索しても日本語のサイトがほとんど見つからないため、現物を見ずにいきなりネットで注文するのは躊躇する方も多いと思います。そこで各部の詳細がわかるように写真多めでレビューしたいと思います。

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まずスペックについて。HPにある情報は少し古いため、一部仕様が変わっています。これはギターに付いていたスペック表なので最新のものです。実はFKVは2017年生産分からマイナーチェンジがあり、指板とブリッジがエボニーになり、プリアンプがFISHMANに変更されました。もしかすると楽器店によっては古い在庫が残っている可能性もありますのでご注意下さい。


ボディーサイズは中央のくびれが深いオーディトリアムタイプであり、下側の最大幅が385mmと比較的小振りになっています。小柄な人でも弾きやすいと言えるでしょう。トップの素材はイングルマンスプルース単板で、シトカスプルースよりも色が白っぽいのが特徴です。


サイドはマホガニー単板です。サウンドホールから内側を見ると、サイドの裏側に補強材が入っているので単板であることがわかります。普通のギターには白いセルロイドのバインディングが付いていますが、それがありません。直接トップと貼り合わせられています。あれはもともとぶつけた時などに衝撃から守るためのものらしいですが、少しでも音に影響するものは取り除くという思想なのでしょう。ボディーの厚みは最大115mmありますので、ドレッドノートにかなり近く、低音の鳴りは十分です。


バックもマホガニー単板です。クリア塗装されてないので手触りも素材感が伝わりますね。一枚の板のようにも見えますが、よく見ると真ん中で2つに分かれているようです。


ヘッドはFaithに独特の形状で比較的大きめです。Faithロゴをあしらった貝のインレイがきれいです。表面にはエボニーの化粧板が貼り付けられているので高級感があります。旧モデルだとここがローズウッドなので、すぐ見分けられます。


ヘッドの裏側はマホガニーの質感がそのまま出ています。ペグはごく普通のシールドタイプですが、精度は十分だと思います。


ナット幅は43mmで、NuBoneを使用しています。トラスロッドはヘッド側からアクセスするタイプで、エボニーのキャップが付いています。


ネックの素材はマホガニーです。丸い形状ですが、比較的薄くできているので握りやすいと思います。


指板はエボニーなので漆黒で非常に高級感があります。指板にポジションマークはなく、12フレットだけにマザー・オブ・パール、つまり真珠貝のインレイが入っています。もちろんサイドにはドットマークが付いていますので、演奏者の目線からはそれだけで十分です。個人的に指板のポジションマークはない方がクラシックギターっぽくてかっこいいと思っています。昔は派手なインレイが良いと思っていたのですが、だんだんシンプルなものを好むようになりました。


サウンドホール周りのロゼッタにはアバロン貝のインレイが入っていて高級感があります。全体にシンプルな外観の中で、アクセント的に存在感があると思います。


ブリッジもエボニーです。縞模様があるのでローズウッドのようにも見えますが、そういう種類のエボニーもあるようです。サドルの素材はNuBoneです。ブリッジピンは何とエボニーで、アバロン貝のインレイも入っているので非常に高級感がありますね。


ネックヒール部にはストラップピンが付いています。またエボニーのキャップも付いています。


プリアンプは旧型ではShadowでしたが、新型ではFISHMANに変わっています。これはIsys-Tというタイプで、チューナー付きですがイコライザーがありません。contourボタンを押すと低域と高域が同時に持ち上げられるという非常にシンプルなものです。まあ音質はライン側でいくらでも調整できますので、それでいいんではないかと思います。チューナーはよくある3LEDタイプですが、音名表示は普通の数字用LEDを流用しているため、DとBが小文字になってかなり見づらいです。Gなんか数字の6と間違えましたよ(笑)。ただ精度は問題なく、クロマチックチューニングが可能なので機能的には十分です。


プリアンプの出力はストラップピンと兼用するタイプです。その横に006P 9Vの電池ボックスがあります。

インドネシア製ということで作りの精度を気にする人もいるようですが、非常に丁寧に作られていると思いますよ。2万円くらいの安いギターだとボディーの中の見えないところが雑な作りだったりしますが、そういうこともなくとてもきれいに仕上げられています。価格なりのことはあると思いますね。全体にエボニーが贅沢に使われているので、値段からは考えられないほどの高級感が漂っています。ただし旧型ではローズウッドになるので、中古で買われる方はご注意下さい。

それで肝心の音質ですが、うまく録音できなかったのでここにはアップしていません。ただ、さすがオール単板だけあって音の抜けは非常に良いと思いますね。マホガニーらしくクリアで明るいサウンドが特徴です。ボディーの厚みが十分にありますので音のボリューム感もあり、1弦から6弦まで偏りなくしっかり鳴ってくれます。ウォームトーンが特徴なので高音のキンキンした感じがなく、長時間聴いても聴き疲れしない気持ちの良い音という感じでしょうか・・

ピックアップを通した音はピエゾ特有のプチプチ感があるのは致し方ないですね。個人的にはピックアップはめったに使わないので、純粋なアコギだと思っています。本体の鳴りが非常に良いですから、アコギとして使っても十分であり、ピックアップはおまけみたいなものです。

音質については以下の動画が参考になります。英語ですが音を聴くだけなら問題はないでしょう。


こちらの動画ではギターのレビューと試奏が聴けます。


こちらの動画では生音とライン音の両方が聴けます。演奏もGOOD!

総括しますと、この値段でオール単板ギターが手に入るのは非常にお買い得感があると思いますね。使われている素材を見ても10万円以上は軽くしてもおかしくないギターです。音は好みがあると思いますが、ローズウッドのような重たい音ではなく明瞭な音を求める向きには良いと思います。あとは日本人にありがちなブランド志向とルックスの地味さをどう評価するかでしょうね。

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