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チューナーの種類と選び方

投稿日:2018年12月28日 更新日:

僕がギターを始めて27年になりますが、実は今までチューナーというものを一度も買ったことがありません。それは必要がなかったというより、あまり気にしていなかったというのが正しいでしょうか(笑)。まあバンドとかでアンサンブルをやらない限り、家で練習する分にはそんなに厳密にチューニングする必要もなかったからです。また最近はピックアップの付いたエレアコばかり使っていたため、プリアンプに内蔵されているチューナーで間に合ってしまうという事情もありました。それでチューナーというものを一度も買ったことがなかったのですが、つい最近ピックアップの付いていない純粋なクラシックギターを買ったため、ついにチューナーを購入することになりました。さすがに一度チューナーに慣れてしまうと、無しでは不安になるのですね(笑)。

チューナーというものは昔は高価だったようですが、最近では千円未満で手に入るものからあり、非常に買いやすくなっています。ただ種類があまりにも多いので、いざ買おうと思うと何を買っていいのか迷ってしまうのも事実。僕もかなり悩んで買いましたが、初心者の人が買うときの参考になるようにアドバイスしてみたいと思います。

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チューナーなしで調弦する方法

僕が27年前に買った人生初のギターは純粋なアコースティックギターだったため、当然チューナーは付いていません。その頃はどうやってチューニングしていたかというと、ギターのおまけに付いてきた調子笛というものを使ってました。構造はハーモニカと同じ仕組みで、ギターの弦と同じ6個の吹き口があって、それぞれE,A,D,G,B,Eの音が出るようになっています。これを吹いて耳で音を聴きながらギターの弦を1本ずつそれに合わせるわけです。当然そんなに精度はありませんが、簡便なチューニング法として今でも売られてますね。

ただ僕がやっていた方法はそれとは少し違っていて、すべての弦を1本ずつ調子笛に合わせるということはしませんでした。その代わり、5弦のA音だけを調子笛あるいはキーボードで鳴らして調弦し、残りの弦は5弦を基準にして相対的に合わせるという方法をとっていました。ちょっとプロっぽい人は基準音に音叉を使ったりもしますね。このチューニング法にも二通りあって、実音で合わせるやり方とハーモニクスを使ったやり方がありますが、僕はハーモニクス法を好んで使いました。その方がうねりを使えるため、より正確に合わせられるからです。やはり最初の基準音は耳を頼りに合わせるわけですからチューナーほどの精度はないと思いますが、その代わりすべての弦が相対的に合わせられるため、和音を弾いたときの響きはチューナーで一本ずつ調弦するより濁りが少ないように感じます。ギターも工業製品ですから一本ずつ個体差があり、フレットの精度も厳密に言うと誤差があります。相対的なチューニング法であれば楽器による個体差を吸収できるわけですから、この方法には今でも合理性があると思いますね。覚えておいて損はありません。実は僕もつい5年前までこの方法を使っていました。

音で合わせるやり方は原始的なようですが、耳を鍛えるという意味では非常に効果があります。慣れるとわずかなチューニングのズレも聞き取れるようになります。チューナーというのは機械を使って視覚的に合わせるわけですから、それでは耳は全く鍛えられません。確かにチューナーを使うと便利ですし、今ではとても安価なものですから最初からチューナーを使う人も多いと思います。でもあえて初心者の人ほど耳を使って合わせることをおすすめしたいです。チューナーも最初の基準音を合わせるためだけに使えばよいのです。

チューナーの種類

現在市販されているチューナーには非常に多くの製品がありますが、大きく分けると形状と機能の組み合わせで次の4通りに分類されます。

クリップ型と単体型

クリップ型というのはギターのヘッドなどに挟んで使うもので、ギター用チューナーといえばこのタイプがほとんどです。弦の振動を音で拾うのではなく、エレアコにも使われているピエゾ素子でボディーの振動として捉えます。そのため外部のノイズには強いです。非常に小型軽量なのが特徴で、ヘッドに付けておいていつでもチューニングを確認できます。値段も安いものなら千円未満からありますので、とても入手しやすいのが魅力です。欠点としては基本的に弦楽器以外には使えないことと、取付場所の制約を受けることでしょうか。普通のアコギなら問題ありませんが、クラシックギターはヘッドが分厚いため、クリップで挟めない場合があります。また電源はボタン電池を使うことが普通ですが、特にカラー液晶タイプは電池寿命が短いことが問題です。

一方、単体型というのは正式な名称ではありませんが、何と呼んでいいのかわからないのでここでは単体型と呼ぶことにします。これは楽器に取り付けるのではなく、卓上で単独のチューナーとして動作するタイプです。大きさはだいたいタバコの箱くらいと思って下さい。クリップ型と違って、マイクが内蔵されていて楽器からの音を直接拾います。そのため弦楽器だけでなくあらゆる種類の楽器に対応できます。もちろんボーカルのピッチ確認にも使えます。非常に汎用性が高いことが特徴です。電源は乾電池を使うことが多いため、比較的電池寿命が長いことも特徴です。欠点としては、マイクで音を拾うため、周りのノイズの影響を受けやすいことでしょうか。特にオーケストラなどで一斉に音を出している場合は専用のコンタクトマイクを使わないと誤動作の原因になります。

クロマチック型とギター専用型

クロマチックというのは「半音」という意味で、文字通りシャープやフラットの付いた音も含めて、楽器の音を12音階で表示できるものです。したがって、ギターだけでなくすべての楽器に対応できる汎用性が特徴です。またギターの場合はレギュラーチューニングだけでなく、変則チューニングにも対応できる柔軟性があります。

一方、ギター専用型というのはギターに特化されたタイプで、音名だけでなく弦番号も同時に表示されることが特徴です。たとえばギターの場合は、1E,2B,3G,4D,5A,6Eという風に弦番号と音名の組み合わせでチューニングが合ったことを表示します。たいていの場合、ギターだけでなくベースにも切り替えが可能になっています。これは特に初心者にとっては単純に弦番号で音を合わせていけばよいのでわかりやすいというメリットがあるでしょう。その反面、シャープやフラットの付いた音は表示されないため、変則チューニングには対応しづらくなります。もちろんギター以外の楽器にも使えません。機種によってはフラットモードが付いていることもあり、半音下げや全音下げチューニングにも対応可能ですが、その場合でも全弦が一斉に下がるだけで、弦ごとにチューニングを変えられるわけではありません。基本的にはレギュラーチューニング専用と思った方がいいでしょう。

結局、何を選べばよいのか?

市販されているチューナーには形状と機能の組み合わせで上の4通りがあるわけですが、実際にはモード切替でクロマチックモードとギターモードを両方搭載している機種もあるので、明確に4通りに分かれるというわけではありません。amazonを見ているとあまりにも多くの機種があるので迷ってしまいますが、持っているギターによっておおよそ次のように考えてよいと思います。

アコースティックギターの場合

これは最も一般的なクリップ型チューナーで大丈夫でしょう。ただしギター専用型であってもクロマチックモードを搭載しているか、クロマチック専用がいいです。なぜかと言いますと、ギターに特化したタイプは慣れてくると必要ないからです。本当の初心者やコードしか弾かない人には確かに便利かもしれませんが、ちょっとギターを弾ける人なら開放弦がE,A,D,G,B,Eであることくらい誰でも覚えているはずです。そんなことも知らなければギターは弾けません。ですから普通にクロマチックチューナーで一つ一つ合わせればいいだけなんです。これなら変則チューニングも半音下げも自由自在です。わざわざ制約の多いギター専用チューナーを使う必要性は全くないと言えます。このタイプは機種が非常に多いですが、まあ表示の見やすさなどをポイントに選べばいいと思います。

クラシックギターの場合

クラシックギターもアコースティックギターの一種であることには違いありませんが、一般的にはヘッドの形状が異なり、スチール弦ギターより分厚いことが特徴です。そのためクリップ型チューナーが挟めないか、挟めてもかなり無理しなければならない場合があるのです。その場合はペグに付けるなど取付場所を工夫することで解決する手もあります。しかしどうせなら単体型を使うという手もあります。クラシックギターは座って弾くのが普通なので、譜面台などに置いておいて演奏の合間に確認できます。その場合ももちろんクロマチックに限ります。まさかクラシックギターを弾く人で開放弦を覚えてない人などいないでしょう? クラシックギターで変則チューニングをすることはあまりありませんが、6弦をDに下げることは時々あるので、やはりクロマチックの方が使いやすいです。

エレキギターの場合

エレキギターはアコースティックギターと違ってボディーの振動が小さいため、クリップ型チューナーではうまく拾えない可能性があります。その場合はピックアップからの出力を外部入力端子の付いた単体型チューナーに接続して使うことになります。単体型チューナーが最も活躍するシーンと言えるでしょう。

キャリブレーションの有無

ポピュラー音楽では基準となる中央のラ(A4)のピッチを440Hzにすることが普通ですが、オーケストラの楽器では442Hzとすることが一般的です。したがって、厳密には合奏する相手によってピッチを変えなければなりません。チューナーによっては基準ピッチを微調整できるものがあるというか、その方が多いです。まあ一人で演奏する分には別に関係ないのであまり気にしなくてもOKですが、ピッチを意図的に変えることによって響きを変えるというマニアックな楽しみ方もあるので、できればキャリブレーション機能もあった方がいいでしょう。

KORG CA-50のレビュー

今回クラシックギターを買ったのですが、チューナーを選ぶにあたってamazonのレビューを読んでいると、クラシックギターのヘッドにはクリップ型チューナーが挟めないという指摘が多く見られたため、単体型チューナーから選ぶことにしました。単体型を選んだ理由はギター以外の楽器にも使える汎用性があるからです。たとえばオカリナのようなピッチの不安定な楽器には正確なチューナーで正しいピッチを維持する練習が欠かせません。もちろん自分の声のピッチが合っているか確認するのにも使えます。汎用性ってやっぱり良いですよね。

それで結局選んだのはコルグのCA-50というクロマチックチューナーでした。実はこれの姉妹機種でギター/ベース専用のGA-50という機種もあったのですが、上に述べた理由であえてクロマチック専用のCA-50にしました。どうせ単体型を買うなら汎用性のあるCA-50の方が絶対いいでしょう? しつこいようですが、ギターの開放弦を覚えている人にはギター専用チューナーなんて全く要らないんです。無用の長物。

チューナーもいろんなメーカーから発売されていますが、やっぱりコルグが一番定評あるようです。まあ僕がコルグフェチということもあるんですけどね(笑)。値段も1,500円しないのでとてもお手頃ですよ。

スペック

非常にシンプルなクロマチックモード専用ですが、2色のLEDによるチューニング合致ランプ、410~480Hzのキャリブレーション機能、C4~C5の基準音発生機能を備えています。ディスプレイはモノクロ液晶のみですが、その分電池寿命は非常に長くなっており、単4マンガン電池2本で何と135時間も動作します。チューナーなんて1回あたり数分しか使いませんから、いつ電池を入れたのか忘れるくらい保ちそうですね。

またピックアップ付きの楽器を接続するための入力端子を備えており、エレキギターも接続可能です。さらに入力音をそのままスルーする出力端子も備えているため、楽器とアンプの中間に挿入して演奏中にチューニングを確認することも可能になっています。これはなかなかの親切設計ですね。

使用感

マイクを使用するタイプということで感度が気になったのですが、ギターから50センチ離しても余裕で拾ってくれました。しかも相当弱い音で弾いてもちゃんと反応するし、余韻の小さな音までしっかり捕捉します。凄い高感度だと思いますね。心配されたノイズへの耐性ですが、エアコンの騒音がガンガンの部屋で使っても全く問題ありませんでした。少なくとも楽器音以外のノイズには相当強いようです。

精度については1セントの精度があるということなので、必要十分といえるでしょう。高精度ゆえに針の揺れがやや気になりますが、普段はLEDのグリーンランプを参考にした方がわかりやすいでしょう。

検出可能な音域はスペック上ではA0~C8(C4を中央ドとした場合)とされていますが、これはピアノの音域とちょうど同じです。ただし実際に電子ピアノで試してみると、正しく検出できたのはB♭1~B6までの範囲でした。それ以外の音は全く反応しないか誤検出となりました。スペックはあくまでもサイン波の場合ですので、ピアノのように倍音をたくさん含む音では範囲が狭まるのは致し方ありません。まあこのくらいの音域があればどんな楽器でも実用上は問題ないでしょう。

汎用性を求める方にはおすすめ

CA-50はコルグの現行品の中で最もスタンダードなクロマチックチューナーです。ギター用としてはちょっと特殊な部類に入るのかもしれませんが、どんな楽器にでも使える汎用性は魅力です。本当にいろんな目的に使えるので、音楽をやる人ならリファレンスとして一台持っておいて損はないと思います。僕は感度の高さと電池保ちの良さがとても気に入りました。

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