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夜の海辺にて 【ピアノソロ譜】

原題:Nacht am Seestrand, Op.34-1

作曲:ヘイノ・カスキ

ヘイノ・カスキは1885年フィンランドに生まれ、シベリウスと同時代を生きた作曲家です。1歳までに母を亡くし、経済的に恵まれなかったカスキは教会オルガニストであった父の影響で音楽の道を志し、作曲家としての才能を開花させていきます。学生時代にはシベリウスの協力を得てベルリンへの音楽留学も果たします。しかし第一次世界大戦の勃発により中途で帰国、その後はセリム・パルムグレンに師事してピアノの勉強を続けます。無名の作曲家であった彼は作曲だけでは食べていくことができず、ヘルシンキ音楽院でピアノ教師をしたり、小学校で歌を教えながら生計を立てていました。そして1957年、奇しくもシベリウスが亡くなったのと同じ日にひっそりと72歳の生涯を閉じます。

生前はシベリウスの陰に隠れて本国でもほとんど顧みられなかった作曲家ですが、100曲以上にわたる叙情的で大変美しいピアノ曲を残しています。近年再評価の動きが高まり、演奏会でたびたび取り上げられるようになりました。中でも「夜の海辺にて」はフィンランドでは知らない人はいないと言われるほど人気のある作品で、彼の代表作になっています。うねるような大きなアルペジオに乗って流れる旋律は夜の海の吸い込まれるような静けさを表しているようです。また中間部に現れる高音域のきらめきはさざ波に揺れる月の光を連想させます。ショパンや印象派とも異なる独特の響きを味わってみて下さい。

楽譜は原曲のままですが、技巧的に難しいところはないので初級レベルで十分弾けるでしょう。8分の12拍子は実質的に4拍子の3連符と考えるとわかりやすくなります。左手のアルペジオは3音を一組にして指替えを行うと弾きやすくなります。

この楽譜は固定キーとなっておりますので移調はできません。

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