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ノクターン第21番ハ短調(遺作) 【ピアノソロ譜】

原題:Nocturne c-moll KK.IVb/8 CT128

作曲:フレデリック・ショパン

ショパンの死後89年経った1938年にワルシャワのポーランド音楽出版協会から出版された遺作の一つです。通し番号を付けて「ノクターン第21番」と呼ばれることもありますが、もちろん実際の作曲年代とは対応していません。当初はごく初期の作品とみなされていましたが、後のショパン研究者により最晩年の1847年から1848年に作曲されたとする説が有力視されています。その頃には病状も相当悪化しており、創作意欲の衰えから陰鬱で感傷的な雰囲気が感じられます。他のノクターンとは違って規模が小さく、冒頭の主題が再現部で反復されないなど特異な点があり、楽譜にも発想記号や強弱記号が詳しく書き込まれていないことから未完成なスケッチであったと考えられています。

ショパンのノクターンの中では第2番、第20番と並んで演奏が平易であること、小規模でシンプルながら聴き映えがすることからショパン入門としておすすめの曲です。左手は単純なアルペジオで技巧的に難しいところはありませんが、右手の旋律に時々現れる不規則な連符は数学的に厳密に分割するという意味ではなく、左手の8分音符の中に何個入るかをおおよそ決めて弾くと弾きやすくなります。

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