乙女の祈り 【ピアノソロ譜】

ポーランドの女流作曲家バダジェフスカが1856年頃に作曲したピアノ作品で、彼女の作品では唯一世に知られているものです。数あるピアノ曲の中でも最も有名なものの一つで、親しみやすく洗練されたメロディーは日常生活の中でも耳にする機会が多いものです。ピアノの入門曲として発表会などでもよく演奏される曲ですが、オクターブ奏法が多用されており手の小さい人にはなかなか厳しいものがあります。

曲は8小節からなる主題が次々と形を変えて変奏されるもので、使われているコードはわずか3つしかありません。そのため非常にシンプルですが、大衆的で芸術的価値はないと酷評される向きもあるようです。日本では知らない人はいないくらいですが、本国ポーランドではバダジェフスカの名はほとんど知られていないようです。

楽譜は原曲のままです。ピアノ入門曲と言いながら、オクターブ奏法や10連符は難度が高く、実際には中級レベルくらいでしょう。最大の難関は随所に現れる10連符で、滑らかに弾けるように指使いを工夫して下さい。繰り返しが冗長と思われるときは省略しても構いません。