ボレロ 【ピアノ簡易版】

フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1928年に作曲したバレエ音楽です。「ボレロ」とはスペインの民族舞踊のことで、3/4拍子を特徴とします。楽曲からも明確にスペインの風情が感じられます。ラヴェルといえばボレロを連想する人が多いほど最も有名な作品になっています。楽曲は終始同じリズムを根底で刻みながら2種類のメロディーからなるAABB形式を4回繰り返すだけのきわめて単純な構成になっています。にもかかわらず毎回楽器構成を変えながら次第に音量を増していき、クライマックスに達したところでコーダに突入する劇的な展開は全く飽きさせることがありません。それが「オーケストラの魔術師」と呼ばれるゆえんです。

楽譜はRoger Brangaによるピアノ編曲版をさらに簡単にアレンジしたものです。とは言っても左手のリズムが速く、右手と3連符のタイミングを合わせるのが難しいため見た目ほど簡単ではありません。難しければ左手の音数を減らすなどして工夫して下さい。リピートはオーケストラでは4回繰り返されますが、ピアノでやっても冗長なだけなので2回にとどめています。2回目は少し強めに弾いて変化を付けて下さい。