ゼロからつくる作曲講座 作曲・音楽理論

より進んだコード進行(その2)

投稿日:2012年11月22日 更新日:

前章ではセカンダリー・ドミナントを使ってコード進行のバリエーションを広げる方法について解説しましたが、ここでは裏コードというものを使って、さらにコード進行のバリエーションを広げるテクニックについてご紹介します。

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置換ドミナント(裏コード)

V7→I型のドミナント終止においては、3度音と7度音で作られる不安定な減5度(増4度)音程を解消しようとする動きがトニックに帰結する原動力となります。CメジャースケールではG7のファとシの音がそれに該当しますが、実はこのファとシの音を含むもう一つのドミナント7thコードを作ることができます。それが置換ドミナントと呼ばれているものです。俗に裏コードと呼ぶこともよくあります。

置換ドミナントは、本来のスケールの主音から増4度上を主音とするスケールのドミナント7thコードとして定義されています。つまり調性的には最も遠いスケールのドミナント7thに当たるのですね。こう書くとわかりにくいので、具体的にやってみましょう。たとえばCメジャースケールの置換ドミナントを見つけるには次のようにします。まず主音Cの増4度上の音はG♭ですね。これを新しいスケールの主音と考えれば、そのスケール上のドミナント7thはG♭の完全5度上に当たるD♭の上にできるセブンスコードとなります。よってD♭7が置換ドミナントになるわけです。あるいは本来のトニックの半音上のセブンスと覚えた方が簡単かもしれませんね。なぜなら、まず増4度で半音6個分上がり、さらにドミナントで半音7個分上がりますから、全部で半音13個分、つまりオクターブと半音上がったことになるからです。

こうやって見つけた置換ドミナントは、ドミナントに特徴的な減5度音程を含んでいますから、本来のドミナントと同じように使うことができます。たとえば典型的なIIm7→V7→Iという進行でV7を置換ドミナントである♭II7に置き換えると次のようになります。

置換ドミナント

実際に弾いてみるとこれでもスムーズにつながっていることがわかるでしょう。この場合、ルートがII→♭II→Iと半音ずつ下がりますので、さらに滑らかに聞こえます。なおここでは最後のCをC6に置き換えてみましたが、こうすることによりコードの一番上の音がC→B→Aと半音ずつ下がっていきますので、さらにかっこ良く聞こえます。

また置換ドミナントは本来のドミナントだけでなく、セカンダリー・ドミナントに対しても適用することができます。たとえばEm7のセカンダリー・ドミナントであるB7を使って次のようなコード進行があったとします。

セカンダリー・ドミナントに置換ドミナントを応用

ここでEm7を「仮のトニック」と考えた場合、それに対する置換ドミナントは上の方法で見つけるとF7となります(つまりトニックの半音上のセブンスコードです)。そこでB7を置換ドミナントに置き換えると2番目の譜例のようになります。さらにドミナントは常にIIm7→V7という形に分割することができますから、3番目の譜例のようにコードをより細かく分けることも可能です。ここまで来るともはや元のキーがCメジャーであったことがわからなくなるくらい大胆に調性から外れた感じになります。

以上、ちょっと難しかったかもしれませんが、置換ドミナントを使うとコード進行のバリエーションが大きく広がり、V7→Iというありきたりの進行を裏切って聴き手にインパクトを与えることができますので覚えておくと便利です。

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