ケーナ運指表

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ケーナは表裏合わせて7つしか穴がないため、運指は非常に単純です。基本的には下から順に開いていくだけですから、すぐ覚えられます。また2オクターブ目以上の音も運指は同じままで強く吹くだけで出すことができます。

ケーナには大きく分けてアルゼンチン調律とボリビア調律の2種類がありますが、現在日本で出回っているものはほとんどがボリビア調律になっていますので、ここではボリビア調律で解説します。

ケーナはソから始まり1オクターブ上のソまで、つまりト長調(G)で調律されています。したがってファには通常シャープが付くことになります。まずこのことを頭に入れておいて下さい。以下、各オクターブごとにポイントを説明します。運指表の●は穴を塞ぐことを意味し、左にある小さな●は裏側の穴を意味します。また半分黒く塗られているものは、穴を半分開けることを意味します。

1オクターブ目

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穴を全部塞いだときがケーナで一番低いソの音になります。以降、下から順に一つずつ開けていき、表側の穴を全部開けるとファ#になります。シャープの付かないファの出し方には2通りの方法があります。一つは真ん中4つの穴を押さえる方法です。これは主にファの音を単独で出す場合に使います。この方が安定した音程を出せるからです。もう一つは一番上の穴を半分だけ開ける方法です。これは主にミとファが連続する場合など、素早くチェンジする必要がある場合に使います。この場合は音程が不安定になりがちですから、自分の耳で確かめながら吹くことが必要です。実際には曲に合わせてやりやすい方を使い分ければOKです。

ここで気をつけるポイントは、低い音ほど弱めに、高い音ほど強めに吹く必要があるということです。特に低いソ・ラの音は少し強く吹いただけでオクターブ上の音が出てしまいますから、そっと優しく吹かなければなりません。また高いファ#・ソの音はある程度強く吹かないと音がかすれがちになります。この辺の微調整は慣れてくれば自然にできるようになってくるでしょう。

2オクターブ目

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裏側の穴も含めて全部開けた状態が2オクターブ目のソの音になります。これより上は1オクターブ目の繰り返しとなり、強く吹くだけで1オクターブ高い音が出ます。強くと言いましたが、実際には力任せに強く吹くのではなく、息をさらに細く絞って唄口にピンポイントで当てるということです。説明するのは簡単ですが、実際はなかなかできません。最初はどうしても音が割れたり、低い音が混じったりしてしまいます。これを乗り越えられるかが最大の関門となります。

2オクターブ目もラ・シあたりは比較的簡単に出ますが、高いミ・ファ#あたりになるとかなり難しいです。息が非常に細く絞れていないときれいな音は出ないのです。これはもう理屈より慣れるしかありませんので、いつかはできると思って地道に練習して下さい。

2オクターブ目のファ#・ソも基本的に1オクターブ目と同じ運指でよいのですが、右手の人差し指と中指で下から2つ目、3つ目の穴を押さえるときれいな音が出やすくなります。どうしても音が出にくい方はまずこの運指で練習してみて下さい。

次の3オクターブ目のソまで出せれば「コンドルは飛んで行く」が吹けます。普通はここまで出せれば十分で、ほとんどの曲は演奏可能になります。まずはここを目標にしましょう。

3オクターブ目

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3オクターブ目のラより上は今までの規則性が成り立たなくなり、不規則な押さえ方になります。楽器によっても異なる場合があるので、最終的には自分の耳で音程を確かめながら最適な押さえ方を見つける必要もあるでしょう。

3オクターブ目のラは2オクターブ目のラから裏の穴を開けるだけですから、わかりやすいでしょう。2オクターブ目よりさらに強く吹きます。この音は比較的簡単に出ます。あとドも割と簡単に出ます。一番大変なのはシとレの音です。基本的に押さえる穴が少ないほど音が出にくいようです。息を思いっきり細く絞ってかなり強く吹かないと出ません。ケーナの角度を微調整してみると、音の出るポイントが非常に狭いことがわかります。逆にこの音が出せれば、正しく息を唄口に当てられているということなので、他の音は容易に出せます。

まあ3オクターブ目のラ以上はフォルクローレの曲でもめったに使うことはないですから、2~3年やって出せれば上等と考えておきましょう。ミより上は実際に使うことはまずないでしょうし、自分も運指がわかりません(笑)。

なお楽器の作りが悪いといくら頑張っても3オクターブ目の音が出ないことがあります。特にシの音は非常に出にくいです。どうやっても出ない場合は、一度上手な人に吹いてもらえば楽器が悪いのか自分が悪いのかがわかるでしょう。

半音の出し方

ケーナは指で穴を塞ぐ楽器なので、アナログ的に開ける割合を変えることができます。ですからシャープやフラットの付いた音は穴を半分開けることで出すことができます。半分と言いましたが、実際には半分と言うより4分の1に近いです。下の音から穴を半分開ければシャープの付いた音になり、上の音から穴を半分塞げばフラットの付いた音になります。実に単純明快でしょう? 実際にはあんまりシャープやフラットがたくさん付くと演奏が非常に難しくなるので、せいぜい3つまでにとどまるように移調するのがベターです。

また穴を半分開ける方法にも流儀があり、指を横にずらす方法と指を回転させながら少し持ち上げる方法があります。前者の方法はしっかりした音程を出しやすく、長く伸ばす音で使うと効果的です。後者の方法は速いフレーズを吹くのに適しています。別にどちらの方法でも好きな方でやれば構いません。自分は指を持ち上げる方法を使うことが多いです。

なお3オクターブ目の音については穴を半分開ける方法は通用しません。これはまた特別な押さえ方があるので、その都度覚える必要があります。ここでは省略しますが、楽器によっても異なる可能性があるので、最終的には自分の耳で確かめながら最適な押さえ方を見つけ出すことが必要です。

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