手持ちのCDから誰もが知ってるような名曲を集めてみました。ジャンルがかなり偏ってますが、趣味ということで・・(^_^;)
ザ・ビートルズ/イエスタデイ
おそらく後世まで歌い継がれる不朽の名曲であることには違いないですが、残念ながら周波数は1/fゆらぎになっていません。2Hzあたりを境に明らかな折れ曲がりを示し、低周波側はλ=0.5付近の傾きになってしまいます。しかし振幅はきれいな1/fゆらぎになりました。
ザ・ビートルズ/ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
これもゆったりした心地良い曲ですが、1/fゆらぎには少し足りません。ただスペクトルの折れ曲がりは小さく、ほぼ直線的になっています。これも振幅は1/fゆらぎになっていました。
サイモン&ガーファンクル/サウンド・オブ・サイレンス
S&Gの初期の代表曲です。これもイエスタデイと同様、2Hzあたりを境に極端な折れ曲がりを示します。低周波側ではλが最も小さい値を示しました。しかし振幅はやはりきれいな1/fゆらぎになりました。
サイモン&ガーファンクル/明日に架ける橋
S&Gの最高傑作とも言える名曲です。後半に向かって盛り上がっていくのが特徴で、サンプリング波形を見ると次第に音域が上がっていくのがわかります。これもλの値は少し足りませんが、低周波側で外れている部分を修正するとほぼ1に近づくかもしれません。このくらいなら1/fゆらぎと言っていいのではないかと思います。振幅もやはり1/fゆらぎになっていました。オーケストラが入ってくるのでクラシックに近いのかもしれません。
レッドツェッペリン/天国への階段
アコースティックギターのイントロが印象的な曲です。λの値は少し小さめですが、分布はほぼ直線的になっています。
イーグルス/ホテル・カリフォルニア
哀愁漂うイーグルスの名曲中の名曲です。残念ながらスペクトルは1Hz付近を境に折れ曲がりを示し、低周波側はかなりゆるい傾きになってしまいます。
エリック・クラプトン/愛しのレイラ
イントロのギターリフが印象的なクリーム時代の代表曲です。後半はピアノの伴奏が登場して長いギターソロが演奏されます。なぜか0.1Hz付近で落ち込みを示しますが、分布は比較的直線的でλの値もロックの中では大きめです。
エリック・クラプトン/ティアーズ・イン・ヘヴン
亡き息子を偲んで作られたアコースティックナンバーの名曲です。落ち着いた感じの曲なので、λの値も比較的大きめになりました。
ジェフ・ベック/エア・ブロアー
「ブロウ・バイ・ブロウ」というアルバムに収録されているギターインストゥルメンタルの曲です。速いテンポで都会的な洗練されたイメージです。λ=0.7前後ですが、スペクトル分布は折れ曲がりがなく直線的になっています。
ジェフ・ベック/グッド・バイ・ポーク・ピー・ハット
「ワイヤード」というアルバムに収録されているギターインストゥルメンタルの曲です。エア・ブロアーとは対照的にスローテンポでジャジーな雰囲気の曲で、大人のテイストが感じられます。0.1Hzより低周波側が水平に近いですが、λの値は最も1に近いです。
ビリー・ジョエル/素顔のままで
ビリー・ジョエルの初期の名曲です。サックスの響きが心地良い曲ですが、これもやはり2Hz付近で折れ曲がりを示し、低周波側はλ=0.6前後になりました。
ビリー・ジョエル/オネスティ
ビリー・ジョエルの最高傑作とも言うべき名曲ですが、「素顔のままで」と同様の傾向を示し、λの値は小さめになってしまいます。
まとめ
調べた限りではクラシックのようにλ=1を超える曲は皆無でした。ロック・ポップス系の曲はスペクトル分布に折れ曲がりが見られることが多く、λの値が小さめになることは確かのようです。落ち着いた雰囲気の曲であっても1/fゆらぎにはなることは少ないのが意外な結果でした。
この原因の一つには、使われている楽器の特徴があると思います。ロック・ポップス系の曲ではドラムスが多用されますので、ビートに合わせてバスドラムとハイハットが交互に打ち鳴らされます。この結果、ゼロクロス法で解析した周波数のサンプリング波形は低音と高音が短い周期で櫛歯状に並ぶような形となり、フーリエ変換すると高周波成分が強く表れるためではないかと想像されます。
またイエスタデイなど、本来落ち着いた雰囲気であるはずのアコースティックナンバーが意外に小さいλ値を示してしまう原因はアコースティックギターの倍音成分にあるのではないかと思います。アコースティックギターの音は非常に高い倍音成分を含んでいますので、サンプリングした波形を見ると8000Hz付近の高周波が規則的に表れていることがわかります。これは特にアルペジオで弾いた場合に顕著に表れます。この突出的なピークによって高周波成分が強く表れてしまうものと想像しています。
したがって周波数ゆらぎを解析する場合、使われている楽器の影響を強く受けるということがこれによって明らかになります。ゼロクロス法による解析は純粋な音程ではなく、倍音成分をも含めたものになりますから、必ずしも実感と一致しないケースが出てくるものと思われます。またイエスタデイの振幅ゆらぎが1/f特性を示したように、やはり振幅ゆらぎも含めて総合的に評価するのが正しいと言えるのかもしれません。
コメント