KORG SP-250のインプレッション

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SP-250の演奏動画です。音声はスピーカーからではなく、ライン出力から取っています。時々音外すのは気にしないで下さい。(笑)

コルグの電子ピアノSP-250を購入して10日ほど経ちますので、使用感などレポートしてみたいと思います。といってもかなりのロングセラーですから、今さらレビューしてもあまり意味はないと思いますが(^^;、自分なりに感じた印象をまとめてみます。

まず梱包ですが、付属のスタンドが同梱されていますので、かなり巨大です。本体だけなら19kgですが、梱包状態で何と32kgもあります。これを運ぶ宅配便屋さんは本当に大変です。(^^; 配達は玄関先までしかしてもらえませんので、設置場所が2階だと大変です。うちは1階だったのでまだマシですが、まず玄関先で梱包を解いて、本体とスタンドに分けて運搬しました。本体はかなり重いです。おそらくほとんどが鍵盤の重みですね。一応ポータブル型ですが、ライブでの使用を考えている方にはちょっときついと思います。まあ二人がかりで車で運ぶのであれば問題ありませんが・・

サイズですが、スピーカーが本体上側に付いていますので奥行きが結構長いです。この手の電子ピアノはスピーカーが鍵盤の裏側や本体背面に付いているものが多いですが、音質を優先させるためでしょうか? さらに譜面台が後ろに出っ張る格好になりますので、背後にもかなりスペースを取ります。左右のスピーカーの間は何もないはずなので、ここに譜面台を付ければ奥行きが小さくなると思うのですが、どうも無駄に思えます。もしスペース最優先であれば、スタンド一体型のLP-350にした方がスッキリ収まると思います。

そして最も重視していた鍵盤のタッチですが、事前に実物を触れなかったので少々の不安はありました。しかしネットの評判通りであったことに一安心しました。この機種はコルグのRH3という最上級の鍵盤を使用しているのですが、この価格を考えると思い切った設定だと思います。同じ価格帯では他のどのメーカーと比較しても格が違います。明らかに10万円以上の機種に採用されている鍵盤と遜色のないものです。この鍵盤はバネを使わず、グランドピアノと同じハンマー構造になっていますので、叩いて戻るときの動きも実に自然で、弾いていて気持ちいいです。重さも本物のピアノよりむしろ重いくらいで、人によって好みはあるかもしれませんが、このくらいの方が手応えがあります。今までシンセのスカスカの鍵盤で弾いていたので、やはりこの鍵盤で弾くのと気持ちよさが全然違うと思いました。材質はプラスチックですが、黒鍵はちゃんと艶消し処理が施されていますので、見た目も安っぽくありません。他のレビューを見ると、鍵盤の隙間が一定でないことを気にする人がいますが、言われなければまったく気づかないと思います(笑)。演奏上問題になるものでもありません。とにかく、この鍵盤について言えば100点満点をあげていいと思います。

次に音質ですが、これは人によって好みがあるので評価が分かれるところでしょう。しかし自分の印象としては、今まで使ったどのキーボードやソフトシンセに比べても好ましい音質で気に入っています。内蔵スピーカーで聴くと、低音域と高音域はリアルなものの、中音域はややクセのある鼻の詰まったような音に聞こえるところが気になるかもしれません。しかしこれは内蔵スピーカーの性能によるところが大きく、ヘッドフォンや外部スピーカーを通して聴くと、全音域にわたって十分良い音に聞こえます。おそらくコストのほとんどは鍵盤にかかっているでしょうから、スピーカーまではコストをかけられなかったのだろうと思います。自分はレコーディングするときはライン出力かソフトシンセを使いますので、これでまったく問題ありません。なおピアノの音色は、ノーマルなグランドピアノの他に、明るめの音色のブライトピアノ、暗めの音色のメローピアノが選べます。これも好みで選べばよいでしょう。おそらくサンプリングは同じもので、フィルターの周波数だけ変えているのだと思います。

あとスペックでは最大同時発音数が60音となってますが、これは1オシレーターの音色の場合です。しかしグランドピアノをはじめ、ほとんどの音色は2オシレーター使っているため、実際の同時発音数は30音になります。さらにリバーブをかけると25音にまで減ってしまいます。これをどう見るかですが、実際の演奏で25音も同時に鳴らすことはまずありませんし、ダンパーを踏んだまま和音を連打したとしても、前に鳴っていた音が消えるだけで、新しい音が切れることはありません。残響が消えたとしても、少なくとも僕のレベルでは聞き分けられません(笑)。しょせんデジタルピアノはシミュレーションに過ぎないのですから、あまり音にこだわっても本物に敵うはずがありません。実用上問題なければそれで良し、どうしても気になるなら、MIDI接続してもっと高性能なソフトシンセを使えばよいと思います。

機能面はシンプルで、録音機能やSMFの再生機能などは何も付いていません。でもそれらはPCのソフトですべてできるわけですから、余計な機能は付いてない方が理想的です。高価な機種はその分にコストをかけてるわけですからね。僕はメトロノームがあって、トランスポーズができればそれで十分です。液晶ディスプレイも何も付いてないので、今まで使っていたシンセに比べると頼りない気がしますが、ボタン上のLEDだけで実用上は問題ありません。メトロノームはスライダーでテンポを設定しますが、それではアバウトな設定しかできないので、正確なテンポを指定するにはメトロノームボタンを押しながら鍵盤を順に押して数値入力します。ちょっと慣れが必要ですが、それはそれで問題ないと思います。

ダンパーはハーフペダルに対応したものが付属していますが、実際には4段階しかないようです。しかしそれでもハーフペダルの効果は微妙でよくわかりません。そんな器用な踏み方はできないので、自分は全部踏むしかありません(笑)。ソステヌートペダルやソフトペダルには対応していませんが、まず使うことはない(使えない)のでいりません(笑)。どうしても欲しい人はLP-350にしましょう。なお付属のペダルはスタンドのパイプに差し込めるようにくぼみが付いてますが、かなり奥にあるので遠いと感じるかもしれません。気になるなら外して使えばよいと思います。

その他、背面にMIDI IN/OUTと左右独立したライン出力が装備されていることもポイント高いです。ライン出力はステレオミニジャックになっているものが多いですが、この機種は標準フォンジャックを装備しているので、レコーディング機材に直接接続するにも便利です。付属のヘッドフォンは本当にチャチなものでオマケですので、ちゃんとしたものを買いましょう(笑)。

本当にここまでベタ誉め状態ですが、はっきり言って欠点を見つけられないんですね。この価格を考えれば、これ以上望むのは酷だと思います。むしろ出来すぎです。あえて文句を言えば、奥行きが長いことと、譜面台が後ろに出っ張っていることくらいでしょうか。あと気になるのは耐久性ですかね。すぐ壊れたとかいうのは本当に困りますから・・(^^;

なお上位機種のLP-350とは中身はまったく同じと言われています。スペックを見ても音源部は同じであることがわかります。鍵盤は微妙に改良されたという噂もありますが、本当のところはよくわかりません。違いは一体型のスタンドが付いていること、ペダルが3本あること、スピーカーがスタンド側に付いているのでスリムなこと、鍵盤にカバーがあることくらいでしょうか。SP-250のスタンドはパイプの簡易型ですので、揺れが気になるかもしれません。引っ越しなどする可能性がなければ、剛性の高いLP-350を選ぶのも一つの手でしょう。

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